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女川原子力発電所2号機の営業運転開始

ふランス人

みなさんこんにちは。
ふランス人です。
本日は女川原子力発電所2号機の営業運転開始についてレビューしていきたいと思います。

具体的には第52回原子力規制委員会と東北電力プレスリリースをレビューします。
https://www.da.nra.go.jp/detail/NRA100007331
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1246006_2549.html
本日の内容は以下の通り。

1. 法令手続きが進捗し2024/12/26に使用前確認終了(使用前検査合格)

2.社長メッセージ 「安全と電力の安定供給、カーボンニュートラルへ貢献」

1. 法令手続きが進捗し2024/12/26に使用前確認終了(使用前検査合格)

国の審査手続き体系として、最終的な再稼働プロセスである使用前検査が完了しました。そもそも使用前検査って何??となりますが、ふランス語だと以下の通りとなります。

(使用前事業者検査等)
第四十三条の三の十一 
発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、設置又は変更の工事をする発電用原子炉施設について検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
2 前項の検査(次項及び第四十三条の三の二十四第一項において「使用前事業者検査」という。)においては、その発電用原子炉施設が次の各号のいずれにも適合していることを確認しなければならない。
一 その工事が第四十三条の三の九第一項若しくは第二項の認可を受けた設計及び工事の計画(同項ただし書の原子力規制委員会規則で定める軽微な変更をしたものを含む。)又は前条第一項の規定による届出をした設計及び工事の計画(同項後段の原子力規制委員会規則で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第四十三条の三の十四の技術上の基準に適合するものであること。
3 発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、使用前事業者検査についての原子力規制検査により発電用原子炉施設が前項各号のいずれにも適合していることについて原子力規制委員会の確認を受けた後でなければ、その発電用原子炉施設を使用してはならない。

ただし、第四十三条の三の九第一項ただし書の工事を行つた場合その他原子力規制委員会規則で定める場合は、この限りでない。

↑、日本語に訳すと、「原子炉を使用する際には、国が審査したとおりの安全性能を発揮できるか国(原子力規制委員会)の確認を受けてからでないと使用してはダメです。」と書いてあります。
ということで、運転再開に必要な法律で規制されたルール(通称:新規制基準)通りの性能が確認されて、ある程度の安全性が確保され、そのうえで初めて商用利用(営業運転)できるというわけになります。つまるところ女川2号機の安全に関する性能が国のお墨付きが得られたということになります。このステップを迎えたことは大きいと考えます。国の原子力規制員会の審査進捗まとめ資料だと以下記載されています。

                         (第52回第52回 原子力規制委員会資料1より抜粋)

右側の列に赤字で「令和6年12月26日」と追記されただけですが、営業運転を迎えたことになり、東北電力にとっては大きな節目といえるでしょう。

一方で、営業運転を迎えたことで次に大きな課題があります。

それは、対テロ対策(特定重大事故等対処施設)を完成させないと、あと2年で営業運転できなくなる。以下の図参照。

                     (第52回第52回 原子力規制委員会資料1より抜粋)

これは、また別途説明の機会を設けたいと考えますが、日本のルールでは、いわゆる対テロ対策も求められており、このテロ対策完成するまでの猶予期限があと約2年(女川2号機だと2026.12.22)というです。引き続き東北電力はこの課題に対して、頑張って対応していただきたいですね。

社長メッセージ 「安全と電力の安定供給、カーボンニュートラルへ貢献」

大きな節目である女川2号機の営業運転を迎え、東北電力は以下社長メッセージプレスリリースしております。

東北電力社長 樋口康二郎氏メッセージ

 女川原子力発電所2号機は、本日、営業運転を再開しました。

 本日に至るまで、審査申請に係る事前協議や発電所視察などを通じ、真摯にご議論、ご確認をいただきました宮城県、女川町、石巻市ならびにUPZ関係自治体の関係者の皆さま、監督官庁など国の関係ご当局の皆さま、立地地域の皆さま、安全対策工事に従事いただいた皆さまのご尽力に対し、改めて、心から感謝を申し上げます。

 女川原子力発電所は、東日本大震災の震源から最も近い原子力発電所でしたが、運転中であった1号機・3号機、原子炉起動中であった2号機すべての原子炉が安全に停止しました。また、被災された近隣住民の方々と生活をともにするなど、地域の皆さまとともに震災を乗り越えてまいりました。

 女川原子力発電所2号機は、地震・津波といった自然現象に備えた「耐震補強工事」や「海抜29メートルの防潮堤」、万一の重大事故に備えた「電源の確保」や「冷却機能の維持」など、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査を経て、厳しい基準をクリアした安全対策を強化してまいりました。女川原子力発電所2号機の安全性は、これら多種多様な安全対策により、東日本大震災前と比較して確実に向上したものと考えております。

 当社は、女川原子力発電所2号機の再稼働(発電再開)を「再出発」と位置付けております。これは、発電所をゼロから立ち上げた先人たちの姿に学び、地域との絆を強め、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を反映し、新たに生まれ変わるという決意を込めたものです。

 営業運転再開後も、原子力発電所の「安全対策に終わりはない」という確固たる信念のもと、さらなる安全性の向上に取り組んでまいります。

 また、安全・安定運転を継続しながら、電力の安定供給やカーボンニュートラルへ貢献してまいります。

 そして、原子力発電所の運営にあたっては、地域の皆さまからのご理解が何よりも重要と考えております。引き続き、地域の皆さまに、当社の取り組みについて分かりやすく丁寧にお伝えし、地域の皆さまから信頼され、地域に貢献する発電所を目指してまいります。

ふランス人として思うところは、「原子力発電所の「安全対策に終わりはない」という確固たる信念のもと、さらなる安全性の向上に取り組んでまいります」という意思のメッセージの通り、東北電力には継続的に安全性を向上して頂きたいですね。

また、女川2号機の安全運転の上で、電力の安定供給やカーボンニュートラルに貢献し、我々にその効果を還元して頂きたいところです。引き続き東北電力には頑張って頂きたいですね。

それでは本日のレビューは以上になります。本日も記事を見て頂き、ありがとうございました。

ABOUT ME
ふランス人
ふランス人
ブロガー/レビュワー
書店で働く社会人・アルバイト。大学時代に量子エネルギー分野を学ぶ。
難解なフランス語に聞こえる原子力発電所や原子力業界の最新情報を、日本語に皆様に分かりやすくお届けすべく、日々奮闘中。
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